ユートピア≠桃源郷

 

 

現実を打開して理想へ向かうのか、現実から解脱して理想へ逃避するのか どちらがより良いのかなんて、生きてる限り答えが見つかるわけがない どこへ向かったって結局地球は丸いんだから、意味の無い話である 堂々巡り、答えを探すことはとうの昔に諦めた 代わりに常々祈っている 幸せになれませんように 堕ちるだけの人生はあまりにも虚無だし、そういうことにエネルギーを使って右往左往するのももう疲れてしまった 今まで言わないでいたこと、口に出してみると一瞬気持ちが軽くなるけれど、この一言で、誰かの感情を左右したり、行動を制限させたりするのかもしれないと思うと、また閉口してしまう 口は災いの元だし、争いを好まない私はやっぱり他人と関わるべきではない 手と手を取り合うことが平和の第一歩だとは思わない 真の平和って、思想を捨てることじゃないですか? 隣人を愛するのではなく、無関心でいること そうすれば憎しみ合うこともないし、愛し合うことも無い 異端であることがデフォルトになれば、差別も起こらない 素敵な社会の誕生ですね でもそれって死んでるのと大差ないのかな 疑問を感じるから革命が起こって人は争いそして死んでいく より良い社会を築く為には、正しさと強さと語彙力が必要だ 言葉とはツールであり、武器であり、そして呪いだ これほど便利で厄介なものは無いと思うけれど、もうこれが無いと人間は生きていけないので、複雑怪奇な世の中に爆誕してしまったなあと虚しい気持ちになる だが果たして言葉のない時代の方が幸福だったのだろうか?と問われると、果たしてそうでは無いのだろうな どんな時代のどんな場所に産まれても根本的な理というのは変えられないのだろうし、別に私は現状打破したい訳でもないので深いところに沈みそうになる思考を自分で引っ張りあげる 浅瀬に打ち上げられた私の頭の中は綺麗さっぱり洗い流されて、またどんよりとした気持ちで屍のようにアスファルトを踏み締めながら下を向いて生きていくんだろうな 自分の人生を俯瞰してみて分かったことがひとつある 

言葉が巧く操れない人間は、何もかも上手くは行かない