キラカード

 

 

言えないことだらけの内面、思ってもないことを言える外面

口では立派なことを言ってみせたりするけど、別に興味無いし、どうでもいいし、私はこのまま平坦な人生が一直線に続いて、ある日突然ぷっつり途切れることが出来たなら、それだけで充分だ

他には何もいらないから、放っておいて欲しいのが本音である

別に未練なんかじゃないけど、私のクソみたいな人生の中に現れた顔もよく覚えてないような登場人物たちの中で、ひときわ輝く一等星 その為だけに折れかけた心を誤魔化し無理やり動かして、なんとか二本足で立っている 子供だった 昔の話だけど 

重くてキモくて青臭い感情とか、やっぱり自分が抱いているのは似合わないし、そういうのもうとっくに諦めて、何者でもない自分に安心しているつもりだった 結局のところ、誰の何にもなれやしないのだから、色あせた記憶の中をすり抜けて、透明になれたらそれが1番で何よりだと思っていた それが、報いだと、私が手に入れることの出来る、人生の中で唯一の結果だと、信じていた 

それが最上で最高なのだと、今でも心の底から信じているし、自分の1番の望みだと確信はあるのに、なかなかどうしてその時は訪れない 何故だろうと思い当たる節をなんとなく模索してみると、傷つかないように、傷つけないように、感情を希釈して希釈して、色々なことが随分どうでも良くなってしまったことに気がついた 結果を望むことが、億劫になっている

身を焦がすような怒りも、震えるほどの憎しみも、立っていられないほどの悲しみも、なんだか遠くの方へ飛んでいってしまったような気がする 風化していくのが恐ろしいと感じていた そうしたら、全部赦してしまうんじゃないかと思って、焦っていた 暗闇の中をもがいてもがいてもがき続けていないと、自分を見失うような気がしていた 結局、死にたい死にたいと言いながら、生きる理由を探していたのかもしれない 

赦すことができないと、初めて吐露した日、赦さないと自分が辛いよ、と言われた かつて、同じように身を燃やした先人からのありがたいアドバイスを頂戴したが、私はそれをどうしても素直に聞き入れることができなかった もし赦してしまったら、私の今までの人生って、本当になんの意味も為さなくなってしまうし、その先にあるものは、誰かが死んでくれるまでの、ぬるくてくだらない馴れ合いだ そんなものと引き換えに存在意義を無くすのなら、私はずっと辛いままでいい 同じ血が通っているはずなのに、私たちは恐ろしいほどに分かり合うことができないね 結局、永遠に平行線のまま、土に還るんだと思う そうしたらきっと、ようやく私は全部を赦すことができて、これでよかったって思えるのかもしれない 

でもそれって何十年先の話なんだろう 永遠なんてないのは分かってるけど、できるだけ早く事が終わって欲しいと思う ついでに叶うなら今までの全部を無かったことにしたい そうしないと、それこそ永遠に、赦されないままだ

私は別にお前を赦して楽になりたい訳じゃなくて、誰かに赦されて、楽になりたいだけなんだよ