哀悼

 

 

動画を見てクスクス笑っていたらいつの間にか寝落ちていて、気付いたらぐっすりスヤスヤ夢の中 まあ例のごとく悪夢というものでして、登場人物は忘れたと思い込んでいた学生時代の関わりがあった人間達 内容なんてもう飛び起きた頃にはもう全部忘れているけれど、もう4年が経過しているのにも関わらず過去に囚われて勝手な妄想で苦しんでいる 今の私を創っているのは学生時代の経験が9割を閉めているから、まあ致し方ないのかなと思う反面、いつまでも卒業できていない自分に嫌気がさす 20歳を越えて、名目上は大人となった今だけれども、酒が飲めるようになって、個人の契約が出来るようになって、1人で暮らしていけるようになって それだけ それ以上も何も無いし、そもそも変わる努力もしていない 精神的にも我慢が効かない逆上タイプのゴミのままだし文学的表現を真似るならさながら激情派、といったところでしょうか そんなの世の中通用しないし私より周りが大人だから何も言われないだけだよって分かってるしそれを指摘しても貰えないから私は多分呆れられているんだろうけど でもそういう生き方しか出来ないからもう無理なんだよな 他人にどう思われるかって気にすんのももうやめた 所詮私は誰にも本当のことなんか話せないし、今日も元気に自分を殺して哀悼の念を示している 

家族も帰る場所も私にはもう失われているのと同じで、でもまあ結局物理的にもそうなってしまったので、記念としてドラッグストアで線香を買って百均の灰皿から燻る煙を眺めて追悼 さようなら私の18年間 家族みたいな時間もあったからなおさら苦しいよ 嫌いだって強がったって多分好きだった時もあったんだ だから、だから? だから。 でも今日で全部終わりにしようと思う 失った時間は戻っては来ないし、思い出に囚われているようでは過去に縋るのと同じで、生きていく限りは前に進んでいかなくてはならないもので でも誰にも言えないし教えて欲しい 家族ってなんですか 血の繋がりって、絆って 大切なものって なくしたくないものって、暖かさって、愛情って どうしてこんな風にしか生きられないんだ 

近所でよさげなカフェを見つけたって、どっか遠出したくなったって、酒を飲みたくなったって、もう私の傍には誰もいないし、そうやって周りはどんどん各々の人生の先を進んでって、変わってって、私なんかそれこそ思い出になっていくんだろうなって そうしたら私のある意味って、なんでだろうって考える度にそうやってしょうもない議論自分の中で交わしてまたひとり私が死んでいく 灰になった線香眺めてご臨終 

ずっとずっと返信が出来ない 私は誰を 誰と 結局金かよって 私はその場にいなかったけれど、墓石のパンフレットを見ながら地獄みたいな気分で絆なんて言葉がいかに残酷で破綻しやすい儚いものなのかを痛感させられていた これが貴方の望んだ姿なのですかって棺の中の亡骸に問うてみたって返答があるはずもなく そもそもそうだ 生きてる時だってもうろくに会話なんて出来なかったのに 生きてる人間がみんな信用出来なくなって、死んだ人間に期待するなんて馬鹿げている 瓶のオレンジジュースの蓋を開けて寿司を食った 奥の席では知らない大人が神妙な面持ちで酒を酌み交わしていた 献花した時に何を入れていたっけ? 私本当に好きだったんだっけ? ここにいる人達のこと、どう思ってたんだっけ? 一瞬で全く知らない他人に思えて気持ち悪くなった この人たちはどういう人生を送ってきて、この人にどんな気持ちを抱いていたんだろう この人の為にってみんなは言っていたけれど、私、私、知ってたよ 全部知っていたのに知らなかったから、知ろうとも思わなかったから 見ないふりをしていたから、それが露呈してしまった時に今までの、みんなが笑いあっていた記憶が全部ガラガラと崩れていく感覚 自転車 一里飴 八畳 私好きだったんだよ それだけは好きでいられたんだよ でも全部無くなって、あの人の守りたかったもの全部嫌いになってしまったんだよ