虚数解/流星群

 

 

貴方と話している私は誰ですか 貴方は誰の事を語っているんですか 私の目の前で楽しいって言ってくれるけどいつだって疑問符 無理やり上がる口角 高くなるトーン 昂る焦り 全てが上昇気流に乗り、またひとつ、私は私の死骸を乗り越えていく 卒塔婆を後ろにさして背筋をピンと伸ばし胸を張って生きていく、フリ 単純的に簡略化 効率重視 真面目に生きてる方が損をする そんな世の中で真面目なフリをふるのもどうかと思うけど染み付いた偽善者根性 いてくれてよかったとか言われると鳥肌 もの言わぬ土塊になりたい

最近悪夢をよく見る 登場するのは見知った人達 知らない情景 でも夢の中ではああまたここかって持ち回りレギュラー 母親が出てきて会話をした 取り留めもない、まるで親子みたいなやりとり 吐き気がした ずっとずっと人間性が好きになれなかった 母親としても 愛ゆえの嫌悪では無いと思う そもそも自分のことが嫌いなのだからそれを生み出し育てた人間なんか好きになれるわけがない Q.E.D 私の中では終わった事柄です 今更蒸し返してどうするんだと深層心理に問いかけたい 自分のルーツを辿り、初心忘るべからずということですか?私の初心 なんだっけ それすら忘れるくらい長く生きすぎた 消え去りたい過去 逃げてしまいたい現実 見えない未来 漠然とした不安を抱えてまだ見ぬ明日が来ることに怯えてなかなか寝付けない毎日 あと何年こんなのが続くんだ? 結婚して子供を産んで老衰で死ぬのが理想だと上の世代の人間は語るが、そんな目に見えない細い線で繋がった関係性が、死ぬまで続くなんて耐えきれない 自分がそうだったのだから、わざわざ同じ道を辿ろうとは思えないが 愛とか情とかそんなもので考えられないんだ自分の現状を 死なないから生きているだけで、別に嬉しさとか喜びとか感じたいわけじゃないんだ 愛しいと思えるものも大事なものを増やしたくない 自分には何も無くていい そうでもしなきゃ割り切れない 可能性を少しでも信じたら絶望が増えるだけだ 逆に悲しみとか苦しみしかなくていいって思ってるわけじゃない 何も感じたくないだけだ 無 時計の針をひたすら眺めてただ何も無いところを揺蕩って微睡みに沈んで行ければそれでいい それだけでいい 頼むから放っておいてくれ