深層心理

 

 

鼻の皮をアルコールティッシュで剥いた ファンデが浮くから 前髪は短くできなかった 自分の左目が好きじゃない 結局鬱陶しくて見えることになるんだけど そうやって小さいコンプレックスの積み重ねで今日もありもしない自己肯定感が無くなっていく感覚

自分はここにいちゃいけないんだなって思う まあ誰といてもそうなんだけど 自分の良さなんてカケラも見つからないし、雑誌のインタビューで、好きなアイドルが、自分のコンプレックスはマジで無いんすよねって答えてて沸き起こる劣等感 私こうしてずっと下の下の方で燻って生きてくんだろうな

自分が何より“できない”側の人間なので、そっちの方の気持ちがよくわかる 自分でも分かってるのにどうしようもならないんだよな でも目の前にいるのは“できる”側の人間だから、掛けられる言葉は“やれば”いいじゃん ってまあ、最初からそれが出来るならこうならないわけで 能力がある人間を目の前にすると虚しい気持ちになる 私の気持ちなんて微塵も分からないんだろうなって、絶対嫌われてますよ、ええ。 分かりきってることどうにかしようとした所でどうしようもないし、いない方が楽だなって思うよ、話さなくて済むじゃん まあその話すらしないけど 

でも世間から見える自分ってやっぱズレ生じるし、できる側の人間みたいに思われるのが嫌で嫌ででもどうしようもないじゃん 私より出来ない奴がどうやら沢山いるらしい どういうこっちゃねん もう感情を希釈するのに限界が来ている  

数年前に限界が来た時に、気にして声をかけてくださった人がいた 私はそれをずっと恩に感じていて、でも逆の立場になった時私なんかじゃ救えないんだよ 泣いているから、感謝の気持ちを言葉にしてみたけど、そんなの得意じゃないからうまくいかなくて、でも思ってることって言葉にしなきゃ通じないんだよな 分かってるけど自分の人間性が邪魔をしてうまくいかない こんなことの連続で、息継ぎをする度に沈んでいくみたいだ もがいてもがいて、それでも浮上するのは一瞬で、微々たる酸素で息を持たせなきゃならない 生きにくくて生きにくくてしょうがない もっとああだったら、こうだったらって思いながらありもしないあったかもしれない自分に苛まれるのはもうやめにしたい 私は私にしかなれない 分かってるのに、分かってるけど

朝、床にトーストをひっくり返した どうしようもないから捨てるしかなくて、それまでの工程全部無駄にした感ハンパなくて、早起きしたのもタイマーをセットしたのもレタスをちぎったのも全部私の人生の中で無意味なものとなった ほんと些細なことだけれど、もっと安定した所で作業をしていたら、力加減を誤らなかったらって思うとキリが無いし、結局私はこういう人間だよなって浅ましさにヘドが出る 今日も昨日も明日も言いたいことは言えなかったし、自分の未来もなんとなく思い描けてしまう 劇的な、なんて、絶対に無いって言い切れる 何でこうな風にしか考えられないんだろうって自分でも嫌になるしまあでも仕方ないって切り替えなきゃ玄関の扉を開けることが出来なくなる せめて皆の前では普通でいたいよ できてねーけど